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コプラナリティ完全ガイド|STEP.1 まず知っておきたい。コプラナリティの基礎知識と実装不良の関係

コプラナリティ完全ガイド|STEP.1 まず知っておきたい。コプラナリティの基礎知識と実装不良の関係

「コプラナリティ」という言葉はよく耳にするものの、実際には何を意味するのか、そしてなぜ重要で、どのように実装不良と関係するのか等、実はよく理解されていないのが現状です。本記事では、まずコプラナリティの基本を整理し、実装不良との関係を分かりやすく紹介します。

INDEX 目次

1. コプラナリティとは何か?意味と定義・背景

2. コプラナリティの不具合でおきる代表的な不良

  1. 2-1. オープン
  2. 2-2. クラック
  3. 2-3. 枕ハンダ

3.コプラナリティが影響する代表的な部品

  1. 3-1.コネクタ
  2. 3-2. BGA
  3. 3-3. QFP

4. まとめ

1. コプラナリティとは何か?意味と定義・背景

説明文
コプラナリティとは、電子部品の端子(電気を通す足のような部分)が全て同一平面上に綺麗に並んでいるかを示す言葉です。例えば、電子部品を基板に実装する際、端子が浮いていたり、ねじれていたりすると、コプラナリティが良くない状態と言えます。そしてこの端子の平面性が確保されていないと、ハンダ付けした時、端子ごとのハンダ量にムラが生じて接続不良となり、デバイス機器自体が正しく動作しない原因になります。近年、スマートフォンや電子機器の製造技術が進歩し、部品の小型化・高密度化が進む中で、端子の僅かな浮き上がりやねじれが、製品全体の品質に大きく影響を及ぼすようになりました。特にコネクタやBGAのような端子の多い部品では、コプラナリティの精度管理が非常に重要な存在となっています。


2. コプラナリティの不具合でおきる代表的な不良

スマートフォンを始めとした様々な電子デバイスの内部には、小型の電子部品が高密度に配置された「プリント基板(PCB)」が多く使われていますが、これらの電子部品は、主に「表面実装技術(SMT)」によって、基板表面にハンダを用いて接合されています。部品の端子と基板側のパッドがしっかりと接触し、ハンダ付けする温度条件が適切であれば、問題なく接合します。しかし、もし端子が僅かに浮いたり、傾いたりすると、ハンダが付かず、接合不良が生じる可能性があります。その結果「導通しない」「使用中に部品が外れる」等といった不具合が発生します。このように、部品の端子が基板と適切に接触していない状態を「コプラナリティ不良」と呼びます。ここでは、コプラナリティ不良によって引き起こされる代表的な3つの不具合について解説します。

2-1. オープン

オープン不良の図
■どんな不良?
オープンとは、部品の端子と基板パッドが物理的・電気的に接触しておらず、電流が流れない状態です。外見では接合している様に見える場合もあり、検査をすり抜けて製品不良に繋がる事もあります。

■なぜ起こるの?
端子が基板から浮いていたり、ハンダが上手く届かなかった場合、そもそも端子と基板が接触していないので、リフロー後にハンダが固まっても結合されていない状態となります。これはコプラナリティ不良が原因で起こる典型的な現象の1つです。

■どうなるの?
プリント基板内の電気的な接続は途切れているため、製品が全く動作しなかったり、機能の一部に異常が出る可能性があります。組立後の検査で見逃されると、出荷後に大きな問題に発展する可能性があります。

オープンが起こる詳細なメカニズムは以下の記事で紹介しています。
⇒オープンのメカニズムと原因

2-2. クラック

クラックの実装不良の図

■どんな不良?
クラックとは、ハンダ接合部に微細なひび割れが生じる不良です。一見正常に接続されていても、使っている内に割れが広がり、接触不良が起こるため非常に厄介な現象です。

■なぜ起こるの?
コプラナリティ不良で端子が無理に押しつけられて接合された場合、熱や振動により応力が集中しやすくなります。その応力が蓄積される事で固まったハンダ部分にひび割れが発生します。

■どうなるの?
初期段階では問題なく使えるため、製品のエンドユーザーが使用している中で突然不具合が起こる可能性があります。また再現性が低く原因特定が難しいため、間欠不良の主な原因となります。

クラックが起こる詳細なメカニズムは以下の記事で紹介しています。
⇒クラックのメカニズムと原因


2-3. 枕ハンダ

枕はんだの図
■どんな不良?
枕ハンダは、端子の下にハンダが盛られて固まっているものの、実際には電気的な接合が出来ていない状態です。見た目では正常に実装されているように見えるのが厄介な特徴です。

■なぜ起こるの?
端子が浮いた状態でリフローすると、ハンダが端子の下に流れ込んで固まり、物理的には接触していても金属同士の接合が行われていない事があります。接合不良の一種です。

■どうなるの?
検査装置では見落とされ易く、出荷後に初期不良として発覚します。特に振動や熱によって接点がさらに不安定になり、製品の信頼を大きく損なう原因になります。

枕ハンダが起こる詳細なメカニズムは以下の記事で紹介しています。
⇒枕ハンダのメカニズムと原因


3.コプラナリティが影響する代表的な部品

コプラナリティが悪いと、「電気が流れない」「途中で壊れる」「部品が振動で取れてしまう」など、様々な不具合の原因になる事は上記の通りですが、特に以下の3種類の部品は、コプラナリティの影響を強く受けるため、コプラナリティの品質管理が非常に重要となります。

3-1.コネクタ

コネクタのイラスト
■どんな部品?
コネクタは、基板間や基板とケーブルなどを繋ぐインターフェース部品で、電子機器の電気入出力に欠かせない存在です。多数のピンで構成され、信号や電源のやり取りを担います。

■コプラナリティがなぜ重要?
端子のピン数が多いため、1個でも端子が浮いているとハンダが乗らず、接触不良になります。そして接触不良になると機能が部分的に止まる、ノイズが乗るなどのトラブルを引き起こすリスクが高い部品です。

3-2. BGA

bgaのイラスト
■どんな部品?
BGA(Ball Grid Array)は、パッケージ裏面に多数のハンダボールを配置した半導体部品で、CPUなどの高性能なICに良く用いられます。ピッチ(ハンダボールの間)が狭く実装密度が非常に高いのが特徴です。

■コプラナリティがなぜ重要?
実装後はボール部分が外側から見えないため、浮きやハンダ不良があっても目視では確認できません。コプラナリティの乱れは、実装不良の原因となり、X線検査などでの確認が必要になります。

3-3. QFP

qfpのイラスト
■どんな部品?
QFP(Quad Flat Package)は、四辺から細かいリードが出ているパッケージ形状で、マイクロコンピュータや制御ICによく使われます。ピンが多く且つリードが細く、変形し易いのが特徴です。

■コプラナリティがなぜ重要?
リードが長く細いため、輸送や取り扱いの段階で簡単に曲がったり浮いたりします。僅かな浮きでもハンダ不良を招きやすく、オープンや枕ハンダの発生率が高くなります。


4. まとめ

コプラナリティは目に見えない微小なズレでありながら、実装不良や製品の信頼性低下に繋がる重要な要素です。特に高密度・小型化が進む現在の電子部品実装においては、設計・製造・実装の各フェーズでの確認と理解が求められます。コプラナリティを正しく捉えることは、製品全体の品質と信頼性を支える基盤であり、ものづくり現場における安定した工程管理にもつながります。

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