1. 今回のコネクタ実装不良のケース
今回のケースはコネクタメーカーの納品先で起きた実装不良です。試作品のコネクタを使用した実装工程では不良が確認されませんでしたが、量産品のコネクタへ移行後、枕はんだによる実装不良が頻繁に発生するようになってしまいました。
■枕はんだとは■
はんだ接合部の不良現象。リフローの高温工程において、実装部品や基板の平坦度・反り量が大きくなり、はんだペーストと実装端子が離れてしまうことで、フラックスによる酸化が除去されずにはんだペーストと融合しなくなる現象。
2. 起きている現象
今回起きている実装不良としては枕はんだになりますが、試作品では不良が起きず、量産品で不良が起きる状況となっていました。では何故このような現象が起こるのでしょうか。
3. 原因の仮説
今回の枕はんだが起きる要因は、リフロー工程中にコネクタが加熱されることで起こるハウジングの変形と考えられます。但し今回、量産品の一部で枕はんだが発生しているため、ハウジングの量産工程における、キャビティ間の品質差異が原因であると推測されます。
3-1. キャビティ間で品質差異が生じる原理
材料注入時にキャビティの型番位置によって材料到達時間が異なるため、材料温度に差異が生じる場合があります。また成形時のコア側の圧力も型番位置によって異なる場合があり、これらが原因で型番別に材料密度の差異が発生。結果、残留応力のばらつき(=品質差異)が生じると考えられます。
4. 検証方法
今回の現象はコネクタの納入先のリフロー工程で発生しているため、同じ条件下で観測する必要があります。そこで弊社製品の4DScanner2を使用して、試作品と量産品を含めたキャビティ型番別のコネクタを、実装不良が起きた納入先の実装リフロープロファイルと同一環境で、加熱中のコネクタ端子平坦度及びハウジングの挙動を測定して比較します。
5. 検証結果と対策案について
試作品と量産品、それぞれ計測を行った結果、平坦度にばらつきがある事が確認できました。検証結果の詳細及び対策案については以下の資料にまとめていますので是非ダウンロードしてご覧ください。